最終更新日 2024年11月13日
1.多岐にわたる原子力関連事業で信頼されているアトックス
アトックスは東京都港区に本社がある企業で、原子力関連施設における各種事業や福島復興事業など様々な事業を手がけています。
福島復興事業では放射線の管理業務や汚染水処理装置の運転に従事し、困難な作業にも精力的です。
福島第一原子力発電所では多くの作業員が復旧作業を行っていますが、作業に対して適切な防護措置を図るために放射線と放射能の測定を定期的に実施しています。
福島復興支社では福島県内の汚泥処理施設や除染工事、浄化センターの放射線管理業務もします。
倉庫業もスタートさせ、地域のニーズに応えています。
アトックスは原子力発電所保守管理業務も行っていますが、その内容は放射線管理や設備工事、放射性廃棄物処理など多岐にわたります。
放射線取扱資格者約600名が放射線管理業務に対応し、原子燃料サイクル施設では施設管理を行っています。
原子力関連施設における事業の中には原子力発電所保守管理だけでなく、原子燃料サイクル施設に関する業務もあります。
2.メンテナンスや廃棄物処理の作業内容
ウラン濃縮施設のメンテナンスではウラン燃料を濃縮している施設で運転や点検、補修を行います。
ウラン濃縮工場の設備管理を補助し、処理設備の点検をします。
一度使った燃料を再処理する施設でもメンテナンスを行います。
クレーン点検やバルブ点検、保守点検も実施します。
アトックスは放射性廃棄物処理にも従事していますが、原子力発電所では液体と固体の放射性廃棄物処理を行います。
固体の場合はゴミの集積場に廃棄物が集まるので、この廃棄物を燃えるものと燃えないものに分けます。
燃えるものは焼却炉に運び、金属など燃えないものはドラム缶に直接つめていきます。
灰になったものをドラム缶につめて保管した後は、原子力発電所構内の貯蔵施設で管理します。
液体の場合は、放射性廃液に含まれている放射性物質をろ過したり、専門の装置を使用して濃縮作業を行います。
ろ過されなかった残留物はコンクリートやプラスティック、アスファルトなどで固めます。
ろ過された水は自然環境の中に戻します。
コンクリートやプラスティック、アスファルトなどで固めた残留物はドラム缶につめ貯蔵施設で管理が行われます。
大学などの研究開発施設では固定も液体も施設での保管ができないので、アトックスが区分けして引き渡す作業も放射性廃棄物処理業務に含まれます。
アトックスでは様々なサービスも提供しています。
民間で初めて原子力施設内に事務所を開設し、原子関連施設において様々な事業を続けてきたノウハウがあります。
そのノウハウを活かして環境測定や洗浄などのサービスも展開しています。
多くの作業環境測定士がいるおかげで、多くの要望や期待に応えることができます。
3.アトックスの技術開発に高い評価
ビルメンテナンス総合サービスでは、原子力発電所の保守管理などで培った技術と管理のノウハウを活かしてビルメンテナンスの総合サービスを提供しています。
設備管理業務では、あらゆるビルを効率よく安全に管理します。
各種清掃業務では、建物全体を対象にして顧客のニーズに応じた清掃サービスを提供しています。
天然の鉱物であるアスベストは建築材料など多くの製品に使われていましたが、その後人体に悪影響を及ぼすことが判明します。
飛散を防止するため、現在では法令に基づいて高い技術を持ったアスベスト除去業者がアスベストを除去しています。
アスベストの除去もビルメンテナンス総合サービスの中に含まれます。
メニューの中には水中ロボットによる清掃もあります。
水中ロボットがタンク内の底面や壁面の清掃と点検を行います。
イギリスのAEAテクノロジー社が開発し、Centronic社が販売している耐放射線カメラのライセンスを取得したことでサービスの幅が広がりつつあります。
現在はカメラの国内生産と販売を行い、点検や修理を含めたサービスを行っています。
アトックスは技術開発でも高い評価を受けている企業です。
技術開発センターでは原子力発電所や原子燃料サイクル施設、原子力研究施設などの安全運転や点検などに関する技術開発を行っています。
技術開発センターは環境保全に関する測定や分析、評価などの業務でも広く知られます。
ガンマ線照射施設などを利用して、新しい技術の開発を続けています。
技術開発センターのガンマ線照射施設は、日本国内でも有数の放射線強度を備えています。
高精度の分析機器や放射能測定機器を使って作業環境の測定や材料の分析をします。
実際の規模で検証と試験、訓練を行い作業安全の向上に努めています。
技術者の育成にも注力し、研修と訓練を行うセンターでは社員の技術力を高めるために研修が行われます。
福島第一原子力発電所の事故後は、企業や自治体から依頼されて放射性物質の測定を実施しています。
経済産業省は福島第一原子力発電所の汚染水対策などにおいて功績をあげた作業チームに感謝状を授与していますが、2019年4月16日に感謝状を授与されたのは福島復興支社です。