最終更新日 2024年11月13日
袋や箱にプラスチック容器と、食品パッケージといっても多岐にわたりますが、この多様性が日本のスーパーやコンビニの商品棚を彩り印象づけるものとなっています。
袋タイプはレトルトパウチとそれ以外に分けられ、更に引っ張るだけで簡単に開けられるタイプと、機能別に細分化していきます。
目次
レトルトパウチとは?朋和産業さんに聞いてみた
レトルトパウチは常温保存と加熱して使うことが前提で、1食分ずつ分けられるのが特徴です。
基本的に、光による劣化を避ける為に中身が見えない構造になっている場合が多いです。
また雑菌が混入すると劣化が早まるので、包装を行う前に殺菌されるケースが殆どです。
厳密には、圧力を加えつつ加熱して常温に戻す形で殺菌が行われます。
細菌の中には高温に耐える菌も存在するので、そのまま加熱するだけだと生きたまま残ってしまいます。
例えば、食中毒の原因の1つで知られるボツリヌス菌も、100℃に加熱を行うのみでは死滅しない菌です。
しかしボツリヌス菌が死滅するくらいの圧力、温度で殺菌することによって、他の菌も死滅してパッケージ内がクリーンになります。
これがレトルトパウチの基本的な包装ですから、未開封の密封状態の信頼性が非常に高く、長期間常温で保存が可能なのも頷けます。
仮にもし加圧も加熱もしなければ、あっという間に細菌や酵母、カビが増殖して腐敗するでしょう。
加圧加熱でこのような心配がなくなるのは、水分も酸素も通さない、耐熱性の優れる容器が開発されたことによります。
レトルトパウチは信頼性が優れるパッケージの傑作
酸素以外のガスも通しにくく、光も劣化要因になりませんから、レトルトパウチは信頼性が優れるパッケージの傑作だといえるでしょう。
落としたり潰すくらいでは穴が開かず中身も飛び出ないので、耐久性の高さもまた評価されるポイントです。
冷凍保存技術が確立されるまで、食品の保存といえば干して乾燥させ水分を飛ばすのが基本でした。
理由はやはり、水分のある環境下では腐敗を引き起こす雑菌が増えて、早々に食べられなくなってしまうことにあります。
冷蔵庫のない時代だと、食料の腐敗は死活問題に直結しますから、徹底的に乾燥させて保存食にするのは合理的です。
ただ、水分はかなり食感に影響を与えているので、水分が限りなくゼロに近い食べ物は、現代人の感覚からすると硬くて絶望的です。
食感を含めて守る食品パッケージの存在
柔らかくて弾力のあるスイーツ、サクサクと小気味良い音を立てるスナック菓子が何時でも美味しく食べられるのは、食感を含めて守る食品パッケージが存在するおかげです。
スイーツは、適度に水分を保つことでふっくらとした食感を実現しているものが少なくないです。
スイーツを思い浮かべて想像してみると分かりますが、乾燥が進み水分が少しでも減ってしまえば、折角の絶妙な食感は台無しになります。
逆に、水分が増えてしまっても今度はべちゃっとした食感になるので、包装容器には製造時点の水分を保つ性能が不可欠です。
容器の内外に空気の移動が発生すると、水分も一緒に移動してしまうので困ります。
理想的なのは、酸素の透過性を抑えて水分が抜けたり増えさせない容器です。
小さい一口サイズであれば、個包装という選択肢もありますが、ショートケーキのような大きさのものだと不可能です。
そこで日本のパッケージ業界では、水分の移動が起こりやすいスポンジなどの部分をフィルムで保護、加えてプラスチック容器に入れることで鮮度と食感を保っています。
朋和産業さんといえば袋に限りなく近いフィルム状のパッケージ
食品製造段階の衛生管理、減菌処理などの努力は前提ですが、包装容器そのものの性能があるからこそ実現している結果です。
一方では、朋和産業さんでお馴染みの、おにぎりやサンドイッチといった、袋に限りなく近いフィルム状のパッケージも定番です。
どちらも開けて直ぐに食べる性質を持っていますから、長期保存性よりも開けやすさ、処分のしやすさが重要になります。
ただし、一定期間の品質と鮮度の維持は大前提なので、おにぎりはご飯がパサパサにならないこと、サンドイッチは新鮮な野菜の印象が崩れないことなどが保証されます。
高性能で信頼性が高いといっても、常温の保存に向かない食品もありますから、そういった商品は保存条件や消費期限が設けられます。
それでも、条件を満たせば品質が保証されるというのは、それだけ包装の精度が安定していて、設計性能が発揮されることを意味します。
液状の中身が残らずに出てくる、小分けで食べたい分だけ食べられる、チャックつきで乾燥状態を保ち虫の混入も防げるなど、身の回りには様々な包装が存在します。
いずれにも共通するのは、購入時に穴が開いていたり耐久性が低いなどの問題が極めて少なく、中身の状態を警戒せずに開けられることです。
無意識に袋を開けることも珍しくないですが、その理由は信頼性が高く、不良品に遭遇する可能性がとても低いことにあります。
まとめ
冷凍で凍らせても破けない基本性能の高さ、用途に合わせて持たせられる機能性の数々に、商品をより魅力的に見せる高品質な意匠性と、どこを取っても流石です。
全てにおいてレベルが高いのが日本の食品の包装ですが、商品を手に取りじっくりと分析してみると、ものづくりの国のこだわりや特徴が見て取れるはずです。